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やまのなか

  • 2024年3月19日

ましろ 肆

ガリガリだった。霧の中で初めて会ったときより、ひとまわり細くなり、全身うす汚れている。臀部に脂肪がない。歩くと肋骨が動くのが分かる。この子は今日まで何を食べて生きてきたのだろう。胸にこみ上げたけど、つらいのは私じゃない。 ギャーギャーが、途中からニャーニャーに変わる。そっかぁ。。。ほんとはちゃんとニ […]

  • 2024年3月18日

ましろ 参

保護すると決めたからには、まず白猫を知ろう。キミはいったいどこから来たの? オス? メス? → 不明。年齢 → 不明。大きさから大人。首輪 → なし。桜カット (地域猫) → なし。というか桜耳がいない。リターン出来ない環境。野良猫?迷い猫? 捨て猫? → 登録・情報なし。 突然現れたので捨て猫かも […]

  • 2024年3月16日

ましろ 弐

前回のつづき。保護しないと決めたことを、なぜクヨクヨクヨクヨいつまでも思い悩むのか?長く深く考えていた。 自宅の愛猫や近所で見かける野良猫、山の家に現れた白猫。『命の重さはみな同じである。人間だって一緒。』確かにその通り。でもそれはきれいごとだ。 例えば。猫の交通事故を目撃。あなたならどうする?目の […]

  • 2023年8月18日

ましろ 壱

ふかい霧の日。2023 年 7 月 9 日 (日) 18 時 28 分 。娘にメッセージを送る。 『玄関前にギャーギャー鳴いてるすりガラス越しに白くて耳があって目が黒くて尻尾がある生き物がいる網戸にすると逃げて見えんのじゃ何やろ、、、? 』 まじでドキドキした。だって山の中だし。まさか猫が玄関先から […]

  • 2023年5月10日

あるく

父母と『親孝行旅行』へ。これが2人が揃っている、最後の旅になるかもしれない。 しかし。高速道路のサービスエリアで目を疑う。杖をつく両親の歩みは、牛歩戦術か?のろのろ。よろよろ。 万が一にも自分からコロナに感染させたら大変と、もうずっと電話だけだった。運転免許証を手放し、数度の冬を越え、室内と庭、週イ […]

  • 2023年2月12日

ひとり

「 こんなところに独りで怖くないの?  俺は1人じゃ無理だわ。」昨年、屋根塗装の親方に聞かれた。 親方の突然発言は、一緒に塗っている若い職人くんには、きっと日常なのだろう。となりで下を向いてニヤっとしている。「 それは人間のこと? それとも熊とかの動物のこと?」と聞き返したが、話しが本業の塗装へ転じ […]

  • 2022年11月29日

いちにん

2年がかりでリノベしていた山の家。ようやく終わった。 『一任』とは、依頼する相手に全てを委ねること。 1年目は水周りの工事 2021年10月。間取り、住宅設備、インテリアデザイン。色やサイズ、材質、メーカーを含めて、こちらで決める。楽しい時間だ。残りは希望を伝えて、当然プロに一任。結果、ダイニングキ […]

  • 2022年8月26日

きり

霧のなか。朝も夕方も、ふわぁっと靄がかかり雨が降る。霧に霧雨。 雨が降らない日が続き、スカッと晴れた山の一部にガスがかかっていると、あぁ今頃あの下は雨が降ってるんだろうな、羨ましい、、、と、暑さでうなだれた花に水まきしながら思う。 霧のなかは。濃くなったり薄くなったり。魔法の森に迷い込んだようで幻想 […]

  • 2022年8月23日

はなび

なんちゃってプロとして、それなりの数の宿根草を見たし植えたけど。山は下界で拝めない植物に出会う。気候区分によって何が育つか植生分布は違うが、山の植物は元々その土地にないものを誰かが持ち込まない限り、ほぼ自生種だ。 なのにナゼか敷地に、西洋紫陽花と水仙が我がもの顔で点在してる。西洋紫陽花は薄い青色の花 […]

  • 2022年7月24日

とり

飽きずに好きなものの1つは、北欧の古い雑貨や家具。古物商の許可を取得し、販売しようかと思うほどに。日本の骨董も嫌いではないけれど、本物かどうかの見極めが無理。その点、北欧の日用品は、素人に産毛の生えた私でも分かりやすい。 家にある古いアレコレを見ると、デザイナーかシリーズか製造元が決まっている。最初 […]

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