うた

「♪おーいらみぃーさきのぉーとぉーだいもぉーりぃーはー」
「♪しょ、しょ、しょーじょーじぃ、しょーじょーじぃの、にぃわはー」
父の十八番。
レパートリーは全2曲。
うちが薪風呂だった頃のこと。
隣のボイラー室から聞こえてくるゴウゴウ音に混ざる父の歌が愉快で、幼い私は湯船の中で何度も歌えとせがんだものだ。

大人になり、「おーいらみぃーさきのぉー」が、「おいら岬の、、」で始まる、「喜びも悲しみも幾年月」という、映画の主題歌だと知る。
俺は灯台守りになりたかったと、常々聞かされていたので、なるほどね。

「しょーじょーじぃ」は、誰もが知ってる「証城寺の狸囃子」だ。
証城寺??
場所は、Google先生がすぐ教えてくれる。
千葉県木更津市の「證誠寺」というお寺だ。
證誠寺??
寺の名前が違う経緯は、Wikipedia先生がご存知だった。

ちなみに、「喜びも悲しみも幾年月」と「証城寺の狸囃子」を検索すると、もれなく歌詞とYouTubeの動画も紹介してもらえる。
便利な世の中になったものだ。
せっかくのGoogle先生のご厚意に甘えて聴いてみる。

父親が、音程もテンポもとれない、救いようのない音痴だと知らずに育った私は、幼い頃から歌うこと、絵を描くこと、工作が大好きだった。
唯一完璧な2曲に、心から謝意を表したい。

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